根管治療とは
むし歯が歯の神経にまで達してしまった場合に行う歯の根の治療のことを根管治療といいます。また、既に一度歯の根の治療を行なった歯の再治療である再根管治療も含まれます。歯を残すために大切な治療であり、根管治療を行わずに放っておいたり、上手く治療出来ないと抜歯の原因になってしまいます。
根管治療は、適切に行えば70~90%と成功率が非常に高いことがわかっています。この確率はご自身の大切な歯を長期的に機能させることが出来る確率とも言えます。しかし、日本は先進国の中でも根管治療の成功率が極めて低い国とされており、日本の保険治療での根管治療の成功率は50%以下と言われているのです。
自分の歯を残すための根管治療
歯の根にまで進行してしまったという重度のむし歯の場合でも、根管治療を行い、歯の根の中に巣食うむし歯を除去することで抜歯を回避出来ることもあります。リーマーと呼ばれる針のような器具を使い、むし歯菌に感染してしまった歯や組織を少しずつ除去して、歯の根の中を丁寧に掃除するというのが根管治療です。簡単そうに感じるかも知れませんが、歯の根の中は複雑に入り組んでいるため奥の方はマイクロスコープを使ったとしても直接見ることはできません。
根管治療は経験と技術が要求される非常に難しい治療のため、根管治療のためだけに何ヶ月も通院していただかなければならないケースもあります。また、丁寧な治療を行なったとしても抜歯が必要になることも少なくないのが事実です。
そのため、中には根管治療を行わずに抜歯するという選択をする歯科医師もいるようです。しかし、ほんの少しでも歯を残すことが出来る可能性があるならば、困難だとしても根管治療を行うべきであると、当院では考えております。
※根管治療の効果を期待することが出来ないと診断された場合には、根管治療を行わずに抜歯をご提案することもあります。歯の状態、むし歯の進行度合い、部位などによっても根管治療の効果は異なりますのでご了承ください。
根管治療が必要なケース
一般的なむし歯治療の場合、むし歯部分を削った後はレジンや金属などの詰め物・被せ物を被せ、治療が完了します。しかし、むし歯が歯髄(歯の神経)にまで達してしまっている場合や歯の根が病気になってしまっている場合は、歯髄が細菌感染を起こしてしまっているため、根管治療を行ない汚染された神経を除去する必要があります。
神経や血管を通じて歯に栄養を届けている歯髄を失ってしまうと、歯が弱ってしまい、寿命が縮んでしまいます。これがむし歯は早期発見・早期治療が重要だと言われている理由の一つなのです。
また、中には難治性と呼ばれ、根管治療だけでは治療することが出来ないケースもあります。根管に破折や穴が空いているケースや、石灰化などが原因となって根管が閉塞してしまっているケースなどは難治性のケースです。肉眼で治療を継続することが難しいと判断された場合には、歯根端切除術という手術を行なったり、抜歯しなければならないこともあります。
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